嫌い
汗は嫌いだ
水分がなくなっていく感覚も
体内から熱が放出する感覚も
ヒトだと自覚してしまう匂いも
全部嫌い
群青
群青色の
きみの服
雨に濡れて
濃くなる青は
まるで
泣いているようで
きみの笑顔が
嘘っぽく思える
笑いながら
大丈夫だよ、と言う
きみは
嘘だと思った
えすおーえす
乱れる あなたは
口を 開けた
けれど
言葉が 出ない
言葉は 出さない
視線で 伝える
S O S
幼稚
幼稚さが恐ろしくて
裸足で逃げたくなる
可愛いのではなく
危うい
危ういから
可愛い
下らない紙一重
シルエット
曇ったガラスの先に
ぼんやり見える
あなたのシルエット
見て見ぬふりしている私を
あなたは知っている
薄くなる私の心
滲むあなたの心
幸せになって
焦げ茶色、ふわふわと
金色の瞳で私を射る
あなた
好きとも言わず
嫌いとも言わず
迷わせる素振り
ああ、お願い
幸せになって
ひとくち
首筋に噛みついてやりたいのだ
傲慢さを飲み込む前に
がぶり、と一口噛みついてやりたい
そうすればきっと私をもっと嫌いになる
もっと嫌いになればいい
もっと嫌われたい