終わり
従えば終わり
頷けば終わり
話せば終わり
笑えば終わり
泣けば終わり
終わり
さらさら
あやふやな輪郭をグッと掴むと
あなたは崩れていった
さらさらと
綺麗な結晶を残して
私の手のひらにある
あなたの欠片は
黒煙色
太陽を殺す色
きょうき
止めどない狂気が
神経を削る
痛いから悲しくて
辛いから苦しい
するな、なるな、言うな
私に
恋なんて
するな
私を
好きに
なるな
私に
愛してる
なんて言うな
やめろ
やめろ
やめろ
なんて言われても
君となら幸せを――……
なんて言われても
脳みそに届かない
君は俺の運命の相手――…
なんて言われても
舌先は普通のままだ
つまりあなたは私の何者でもない
あなたは私の運命の相手ではないし
私はあなたと幸せになれる気すらない
あなたはあなた
私は私
糸
弾いた琴の線
切り落とす
憂うつ
と
堕落
甘い香りの
匂袋
見え隠れする
糸と意図
弾いた琴の線
切り落とす
午後3時
カチカチ鳴らす
時の針
それを白い腕に刺して
時を止めたっていい
血も火がついたように
暴れだす
あつい流れと
あつい白昼夢