幸せになって
焦げ茶色、ふわふわと
金色の瞳で私を射る
あなた
好きとも言わず
嫌いとも言わず
迷わせる素振り
ああ、お願い
幸せになって
ひとくち
首筋に噛みついてやりたいのだ
傲慢さを飲み込む前に
がぶり、と一口噛みついてやりたい
そうすればきっと私をもっと嫌いになる
もっと嫌いになればいい
もっと嫌われたい
終わり
従えば終わり
頷けば終わり
話せば終わり
笑えば終わり
泣けば終わり
終わり
さらさら
あやふやな輪郭をグッと掴むと
あなたは崩れていった
さらさらと
綺麗な結晶を残して
私の手のひらにある
あなたの欠片は
黒煙色
太陽を殺す色
きょうき
止めどない狂気が
神経を削る
痛いから悲しくて
辛いから苦しい
するな、なるな、言うな
私に
恋なんて
するな
私を
好きに
なるな
私に
愛してる
なんて言うな
やめろ
やめろ
やめろ
なんて言われても
君となら幸せを――……
なんて言われても
脳みそに届かない
君は俺の運命の相手――…
なんて言われても
舌先は普通のままだ
つまりあなたは私の何者でもない
あなたは私の運命の相手ではないし
私はあなたと幸せになれる気すらない
あなたはあなた
私は私