えすおーえす

乱れる あなたは口を 開けたけれど言葉が 出ない言葉は 出さない視線で 伝えるS O S

幼稚

幼稚さが恐ろしくて 裸足で逃げたくなる可愛いのではなく 危うい 危ういから 可愛い下らない紙一重

シルエット

曇ったガラスの先にぼんやり見えるあなたのシルエット見て見ぬふりしている私をあなたは知っている薄くなる私の心滲むあなたの心

幸せになって

焦げ茶色、ふわふわと金色の瞳で私を射る あなた好きとも言わず 嫌いとも言わず迷わせる素振りああ、お願い 幸せになって

ひとくち

首筋に噛みついてやりたいのだ傲慢さを飲み込む前にがぶり、と一口噛みついてやりたいそうすればきっと私をもっと嫌いになるもっと嫌いになればいい もっと嫌われたい

終わり

従えば終わり頷けば終わり話せば終わり笑えば終わり泣けば終わり終わり

さらさら

あやふやな輪郭をグッと掴むと あなたは崩れていったさらさらと 綺麗な結晶を残して私の手のひらにある あなたの欠片は 黒煙色太陽を殺す色

きょうき

止めどない狂気が 神経を削る痛いから悲しくて 辛いから苦しい

するな、なるな、言うな

私に 恋なんて するな私を 好きに なるな私に 愛してる なんて言うなやめろ やめろ やめろ

なんて言われても

君となら幸せを――…… なんて言われても脳みそに届かない君は俺の運命の相手――… なんて言われても舌先は普通のままだつまりあなたは私の何者でもない あなたは私の運命の相手ではないし 私はあなたと幸せになれる気すらないあなたはあなた 私は私

弾いた琴の線切り落とす憂うつ と 堕落甘い香りの 匂袋見え隠れする 糸と意図弾いた琴の線切り落とす

午後3時

カチカチ鳴らす 時の針それを白い腕に刺して 時を止めたっていい血も火がついたように 暴れだすあつい流れと あつい白昼夢

拝啓、

あなたがいたから 私はここまで生きてこられたと思いますあなたにしがみついて あなただけを想って参りましたきっと愚かな女だと あなたは笑うのでしょう?笑ってもいい だから 私の傍にいてほしい 私の手を握っていてほしい 私を抱き締めてほしい 私の心臓…

ワルツを踊りましょう

絶望が夕方にやってきて 私をダンスに誘った私は拒む力もなく 彼の手をとる緩やかに踊る ワルツ踊りながら 不安や虚無感が私を襲う彼は微笑む 彼は微笑む

思わされていた

大人になれば 幸せになれるのだと 思わされていた間違いなのに 思わされていた大人になったら 幸せじゃなかった 瞳の輝きも失せ 闇夜の中 独りで震える怖くない 怖い 怖くない 怖い

価値のない生活

彼らのいない生活なんて何の価値もない何の夢もない温かさも穏やかさも何もないそんなのは嫌だそんなのは耐えられない悪夢だ地獄だ彼らは生きるべきものたちだ生きるべき存在だ誰よりも生きるべき存在なのだ

歪な音符

壊れる寸前のオルゴール 歪な音律は美しい歪な人間で何が悪い 壊れてしまえ 壊してしまえ

それだけの話

最終的にはシネばいい それだけの話ごちゃごちゃ面倒なことはしない したくない シネば全部無になる それだけの話

閉じましょう

酷い言葉を吐かれたら目を閉じましょう耳を閉じましょう心臓の音だけを血潮の鼓動だけを感じれば傷つかなくなる 傷つかなくなる傷つかなくていい 傷つく必要なんてない

責めるな

私は自分を責めている ずっと自分を責めているそんな私を責めるということは きえろ というのと同じことだ 分からないだろうな…分からないから お前ら全員憎いんだ

お仕舞い

もうお仕舞いなのだろうお仕舞いなのにどう抵抗すればいいのか私は私の幸福を望むだけでそれ以外はどうだっていい人を傷つけたって興味ないお仕舞いなのに責めないで

ああ、嫌だ

ああ、あなたは選ぶ側 ああ、彼らは選ばれる側不公平 傲慢 理不尽押し付けられたものたちは 残酷という鞭で叩かれるのだ泣く度に うるさいと、 邪魔だと、なんて醜い世界

召し上がって下さい

人間なんて食べられたらいいんだ 丸ごと 赤く染まりながら 食べられたらいい肉も骨も 形がなくなるほど 食べられてしまえ

あらがえ ぬ

終幕は物静かに背中を襲う彼らは潰されるのだどうしようもない運命に彼らは逃げることも出来ない鳴くことだけしか出来ない鳴くことだけしか

煌々と光る

あずき色の空の真ん中私を呼んでいる 煌々とあなたを浴びる ゆらゆら浴びる切なくなって泣きました あなたがとても優しいから癒してくれた傷口を そっと開いて キスをして

南京錠

南京錠で施錠された分厚いドア鍵を持っている人を探しても 見つからない孤独を感じていたけれど 間違いだった鍵を持っているいるのは あの方忘れていた それを思い出す心が震える

冷たい十字架

彼らは救われない 命は軽く扱われ 物と同じように突き放される神が私を赦しても 私は私を赦さない背負う十字架に ひざまずく 泣いて 苦しんで 身が裂ければいい

Heart of Gold

あの方はいつだって私の傍にいるいつだって私を包んでくれるなんだって赦してくれるそれを当たり前だと思ってたのは傲慢それでも私を受け止めてくれる あの方は――あの方に 心臓を――

赤い気持ち

あなたは私の血潮すら愛してくれる埋めてしまいたい私の 穢れた気持ちすら愛してくれる醜い私をずっとずっと愛してくれる

夢うつつ

穏やかな闇の中 優しく手招きをする あの方は 妖しく魅惑的で 死と溶ける私を虜にして 私から離れないあの方は 私のすべて